0692 探訪あいち 松平往還

★2018(平成30)年11月24日(土) 晴

 松平往還は、徳川家康誕生の地である岡崎城と、家康の先祖である松平家がある松平郷とを往来する街道です。
 豊田市渡通津町に設置されている松平往還説明板によると、家康自身生涯5、6度往還を通って松平郷へ出向いたことがあるようです。松平往還は、戦国時代から江戸時代末までの約400年間、戦いの道、松平詣での道、または塩などを運ぶ税逃れの道として、多くの人や馬が通った古道です。岡崎市から滝、米河内、駒立、渡通津、日影、滝脇、松平郷までの約18キロメートルの道でした。

 現在、この古道が残されているのは、渡通津町内の数百メートルだけです。
 今回の探訪あいちでは、かつての松平往還に近いと推測され、かつ、自転車が通行できるルートを走ります。

 スタートは、岡崎公園三河武士のやかた。
 10人の参加がありました。
 午前8時半にスタート。伊賀川沿いを北進します。伊賀橋北を左折し、鴨田町から大樹寺に向かいます。

 大樹寺は徳川家(松平家)の菩提寺で、江戸幕府歴代将軍の位牌が安置されています。また、三門から総門(現在は大樹寺小学校南門)を通して、南方に岡崎城が見えるよう伽藍の配置が工夫されています。この眺望は「ビスタライン」と呼ばれ、岡崎城大樹寺を結ぶ約3kmの直線上に、マンション等の高層建築物を建てることはできません。

 県道335号(大沼街道)を東進し、岡崎総合運動場を右手に見ながら坂を越えると滝町に入ります。
 滝山寺山門横を東に進み、県道477号をしばらく行くと、新東名高速道路の高架下を潜ります。「幸菓園」の案内板がある脇道に入ります。
 ここから最初の激坂が始まります。
 本日の参加者は、皆さん健脚揃いです。幹事の私が一番遅いことはわかっていましたので、「各自のペースで登ってください」と先に行ってもらいました。

 峠の頂から細い道を一気に下ると、ブドウの産地で有名な駒立町に入ります。
 「マルタ園」の案内板がある脇道に入り、狭隘な市道を登ります。2つめの峠越えです。ブドウの季節は終わりましたので、一般車両が通ることはほとんどありません。

 渡通津町に入ると松平往還の標識があります。舗装道路の脇に、落ち葉で覆われた道がかつての松平往還です。家康が歩いたとしても納得がいく雰囲気の道です。
 次に松平往還の標識あるところは立入禁止の表示と鎖が張ってあります。この先は行き止まりとなっているようです。

 峠を越え、急な坂を下ると、渡通津町の中心部に出ます。と言っても数軒の家が建っているだけの小さな集落です。ここに、「家康も歩いたといわれる『松平往還』の里」の看板があります。冒頭に紹介した説明板もあります。

 一般の車は通らないような峠道を越えると、日影町に出ます。下り坂を軽快に下って郡界川に架かる広川橋を渡ると豊田市滝脇町に入ります。

 ここでちょっと寄り道。
 1kmほど下流に進んだところにあるのが、二畳ヶ滝です。岩盤が重なって激流が二層になって落下するところが、この名の由来。 高さが30mぐらいあって見応えがあります。紅葉が進んだ木々と滝の風景は趣があって、写真スポットして格好の場所です。
 二畳ヶ滝は、2週間前の試走の際、地元のおじさんに教えていただいた場所です。

 滝脇小学校前の坂を登り、長い下り坂の先で国道301号に合流し、松平郷へ。

 松平郷は徳川三百年の礎となった松平氏発祥の地です。
 松平氏は、元々は三河地方の松平郷を支配する一豪族だったのですが、九代目当主の松平元康(家康)が23歳の時(1566年)に徳川という苗字に改めました。
 以降、征夷大将軍と御三家(尾張紀伊・水戸)の当主と御三卿(田安・一橋・清水)の当主だけが「徳川」を名乗ることができことになりました。
 時間があれば、高月院や室町塀などを見学したかったのですが、昼食場所に早く行く必要があったので、松平東照宮のみとしました。

 国道を東進し、つづら折りの延々とした上りの先が、標高307mの根引峠。バイク集団が爆音を立てて走り抜けていきます。ここでも私は最後尾で、えっちらこっちらペダルを漕ぎます。参加者の皆さんお待たせしてすいません。

 旧下山村豊田市花沢町、国道沿いにその店はあります。
 『二八そば 亀福』
 自宅の納屋を改装して今年の7月に開店した店です。店の前には手作りのバイクラックがありますが、ハンドルの高さより低いのでサドルが掛けにくいのが難点です。

 営業は土曜、日曜、月曜の週3日。メニューは「もりそば」、「かけそば」、「期間限定そば」の3種類で1日40食限定。
 急いでいたのは、このそばを参加者全員に食べてもらうためです。

 11時15分頃店に入りましたが、お客さんの数を把握するための木札は「14」番。全員食べることができそうです。6人掛けのと4人掛けのテーブルが2つずつ、20人で満席になります。

 私は下見のときに「もりそば」を食べましたので、期間限定の「たぬきつねそば」を注文しました。コシがあって喉越しがいいと地元では評判とのこと。
 美味しかったですが、サイクリストにとっては、量的にお腹が満たされなかったかなと思います。

 帰路は、往路の峠越えとは正反対に、ほぼ下り坂。軽快です。

 最後に、青木川沿いにある滝山寺の三門(仁王門)に寄りました。1267年(文永4年)の建立で、和様建築の伝統を持つ岡崎市現存最古の建築物です。国の重要文化財に指定され、左右に安置された金剛力士像(仁王像)は岡崎市指定文化財です。ちょうど敷地内のモミジが色づき始め、三門の朱色とマッチしてきれいでした。

 岡崎公園に到着すると、東海オンエア(6人組のYouTuber)のステージショーなどが催されているようで、とても賑わっていました。

 鉄のGIOSさんと私は輪行でしたが、健脚組は自走で帰られました。お疲れ様です。

<PS>
 この日の午後6時から、テレビ愛知テレビ朝日)の『人生の楽園』で『二八そば 亀福』をオープンした中根清茂さん(70歳)と妻の光世さん(64歳)が紹介されました。
 亀福のご主人はそば打ちだけでなく、下山三河万歳、木こり(森の手入れ)、しめ縄づくり、下山コミュニティバスの配車係、と多趣味でバイタリティ溢れる方です。
 番組ナレーションは西田敏行菊池桃子。全国ネット放送されましたから、ますます売り切れの時間が早まるかもしれませんね。
 ちなみにこの店、電話がありません。営業しているかどうかなどは、亀福のTwitterでチェックしてください。

【サイクリングコース】
岡崎公園(午前8時30分)→ 大樹寺 → 滝 → 大沼街道 → 米河内 → 駒立 → 本光寺 → 県道339号 → 渡通津町 → 日影 → 広川橋 → 滝脇町 → 松平郷 → 〔昼食〕→ 国道301号線 → 県道338号 → 大沼街道 → 岡崎公園・解散(午後1時30分)
距離:48km、所要時間:5時間

使用自転車:Bianchi AXIS シクロクロス
走行距離:52.0km(累積7653km)

【参加者】
deepportさん、hbさん、ミシガンさん、kuwanaさん、くらぽんさん、白のトレックさん、T-kuchanさん、TO.KOMAさん、鉄のGIOSさん、幹事(まつぼっクリ) 計10人

【参加者の声】
<kuwanaさん>
皆さんお疲れ様でした。(^^)
帰りの自走はhbさん、白のトレックさんと1号線を無事走りぬけました。

<ミシガンさん>
皆さん、お疲れ様でした。天気良かったですねぇ。ちょうど今、今日蕎麦を食べた亀福が人生の楽園で紹介されています。Openは今年の7月だったですね。TVに出ちゃったから当分激混み?

<T-kuchanさん>
幹事さま、皆様お疲れさまでした。
天気にめぐまれ、真っ青な空と真っ赤な紅葉がとても綺麗でした。
蕎麦屋さんもよかったです、またよろしくお願いします。
自分だけだと、知らずに通り過ぎているようなところが色々ありますね。
また、いろいろ計画お願いします。