▲2017(平成29)年5月4日(木・みどりの日) 晴時々曇
中日新聞連載の「街道を行く」に紹介されていた、徳川家康ゆかりの松平郷に行ってきました。
名鉄東岡崎駅の東改札口で自転車を組み立て、午前9時出発。
岡崎市街地を北上し教育大附属小学校東交差点を斜め右に進みます。グランドロードを道なりに走ると愛知県岡崎総合運動場が右手に見えます。右折して県道477号線に入ります。8%勾配の坂道。坂道は当然のコースですから、えっちらほっちらペダルを漕ぎます。
道は青木川沿いに進みます。
常盤東小学校前の川に沢山の鯉のぼりがつるされていました。まるで川を泳いでいるかのような光景に、自転車を停めてしばし見取れました。
登竜門‥‥鯉が滝を登ると竜になる。
鯉のぼりにはそんな願いが込められているのかもしれません。
簡易郵便局を過ぎて三叉路を左折。段々畑で田植えをする農家の方の姿が目に入ります。
田舎道を走ると、街中では見られない非日常空間を体験することができます。
最近のフィットネスクラブでは、VR(ヴァーチャルリアリティー)サイクルがトレンドになっているそうです。大型スクリーンに映し出された仮想のコースを見ながらバイクを漕ぎます。画面に急な坂道が登場するとバイクのペダルも重くなり、実際にそのコースを自転車で走っているように感じることができるとのこと。
私はこんな仮想現実は嫌です。
リアルの質感が大切だと思います。
道路の凸凹を感じ、花の色彩、草や木の香りを楽しむ。この実感が体や脳に良いのです。
ITが発達した現代では、家から出なくても、大半のことはスマートフォンやパソコンで済んでしまいます。しかし、それでは刺激が「視覚」に偏ります。
目、耳、鼻、肌、舌、「五感」をバランスよく刺激するには、外に出て人と会い自然に接することでしかできません。
インドアで映像を見ながらエアロバイクを漕ぐよりも、アウトドアでスポーツバイクを漕ぐ方が何十倍も楽しいし、身も心も生き生きと元気になれるでしょう。
閑話休題。
起伏ある道が続き、国道301号にぶつかります。道路右下に神社がありトイレが見えました。我慢していたものを放出できました。ただ、蛇口が閉められていて水は出ません。
挙母街道の急な坂を下ると、右手に見えました。目的地の松平郷です。
天下人徳川家康の祖の歴史が刻まれたこの地は、松平郷園地として整備されています。ゴールデンウィーク中でしたが、さほど混雑はしていません。天下茶屋、室町塀、高月院などを見て回り、一番行きたかった展望テラスまで950mの山道を登りました。
物見櫓を思わせる展望テラスからの遠望は素晴らしく、豊田市街はもちろん、三河湾まで見渡せました。
天下茶屋でお昼ご飯を食べてもよいのですが、時間はまだ11時を過ぎたところ。
岡崎のまるぎん商店でラーメンを食べたい。
松平郷亭(休憩所)で補給食を食べることにします。
休憩所にはハイカーらしき年配の女性が休んでいました。
「一人でサイクリングですか?」
「ええ、そうです」
エンジンを唸らせながら追い抜いていく車を横目に、いろは坂のような急坂をゆっくり駆け上がります。
ぶどう狩りで有名な駒立町経由で帰ります。
ほとんどペダルを回すことなく、アッというまに岡崎市街地に着いてしまった感じです。
まるぎん商店は4回目。定番のあごそばを注文。スープまで全部飲み干してしまう美味しさです。
時間はちょうど午後1時。まだ早い。輪行より自宅まで自走しよう。
走り慣れた旧東海道を行きます。
豊明駅北の「三寿園」が立て替えられていました。トコトコ東海道でスタンプ集めに何度か御菓子を買った店です。以前は古い地味な店舗だったのに、駐車場も完備したお洒落な建物に変わっていました。お客さんも何人かいました。
店員さんに聞いてみると、一昨年リニューアルしたとのこと。
そうか、2年前にスタンプラリーが実施されなくなってからこの場所を通っていなかったので、その間に変わってしまったんだ。
街は変化していく。改めて実感。
お土産にDバッグに入れても型崩れしにくいシュークリームを買いました。
「自転車で持って帰られる? 箱に入れましょうか?」
「いえ、袋でいいです。」
紙袋に入れ、さらにポリ袋に入れてくれました。嬉しい心遣いです。買い物はこういう店でしたいものです。
午後3時半過ぎ、自宅着。岡崎から38km、2時間半の道程でした。
使用自転車:Bianchi AXIS シクロクロス
走行距離:74.7km
所要時間:6時間3分