●2016(平成28)年8月20日(土) 曇一時雨
家族旅行で軽井沢に行き、千住博美術館を訪れました。
2011(平成23)年に完成した建物で、開館5周年記念展が催されていました。
世間的には、千住博よりも妹でバイオリンニストの千住真理子の方が知れ渡っているでしょう。
千住博は日本画家ですが、蛍光塗料を使用した作品は日本画の雰囲気はあまりしません。
印象に残った作品は、岩絵具で描かれた『月響』です。崖を描いたものですが、私には月面のように見えました。
金屏風に描かれた『湖畔初秋図』と『湖畔に蜻蛉図』は、日本画と洋画が融合したような作品です。左の屏風には千住博本人とおぼしき男性の姿があり、湖畔を描写しています。右の屏風には蜻蛉を追っている若い女性が描かれています。二人の間は広く空いています。これから二人が出会いロマンスに発展するのか、それとも永遠に出会うことはないのか、いろいろ想像させてくれる作品です。
「The Fall room」という暗室の中にある『龍神』は、日本画と言うよりも現代アートです。蛍光塗料で描かれた滝は、通常照明では白く見え、紫外線を当てると青白い蛍光色となります。二つの光が交互に照らされることで、滝の色が変化し、水なのに宇宙のような感覚になるのです。神秘的でした。
美術館の建物自体も芸術的な造りです。なんと表現していいのかわかりませんが、自然の地形を活かして床は傾斜しており、建物の真ん中に木々があって、自然の中を散策しながら絵画を鑑賞できるように造られています。
一作家の美術館で大人1,200円は少し高い感じはしますが、館を維持し運営していくためにはこれぐらい必要なのでしょう。