◆2015(平成27)年9月20日(日) 曇のち晴
サイクリングに最適の季節となりました。
今日は気温、風ともに絶好の気象条件です。
道の駅『つくで手作り村』のフランクフルトを食べよう、との趣旨で「作手フランク」と命名された大会です。
申込者は75人、ほとんどの方は123kmのロングコースを走るでしょうが、貧脚の私は78kmのノーマルコースです。それでも、累積標高差は1,201mですから、平坦な道を走るのとは訳が違います。
午前8時、足助警察署近くの香嵐渓多目的広場をスタート。
最初の信号をロングは直進、ノーマルは右折します。私の前の4人が右折しました。その後9人に抜かれ14番目になったことから、たぶん、私より遅い人はいないと思いますので、ノーマルコースはこの人数でしょう。
巴川沿いの県道362号線を遡上します。車1台がやっと通れるような道幅、小枝や石ころが落ちていて、これが県道か、と疑うような道です。しかも、水溜まりがあって、コース取りが難しい。自転車もウエアも汚れました。
「草刈りしてるから、気をつけて!」
草刈り作業中のおじさんに声をかけられました。
「ありがとうございます。」
3台ほど車と行き違いましたが、途中発電所があるだけで、ほとんど民家はありません。林道を走っている感覚です。
私の前に自転車はいない、後ろにも自転車はいない。このあと、最後まで単独走行でした。
国道301号に入ると、ツーリングのオートバイやドライブの車に、次々と追い抜かれました。走りを楽しむにはもってこいのワインディングロードです。
『ミニ美術館ひろ』
手作りの看板が目に入りました。「入場無料」と書いてあります。
急ぐ必要はない大会ですから、覗いてみましょう。
自転車を庭先に置こうとしていたら、
「どうぞ、見ていってください」
と、おじさんの声。
少し怪しい雰囲気も感じましたが、入ってみると、そこはアトリエ兼展示室でした。
展示されている作品は、絵の具をひっくり返したような、現代アートです。私にはよくわかりません。
名刺をもらいました。
「KAMIKAZE INOUE」
「フランス・テーラー財団永久会員」
「パリ国際サロン会員」
「日本国際美術家協会会員」などと書かれています。
「どこから来られたんですか」
「名古屋からです」
「えっ、名古屋から自転車で?」
「いえ、香嵐渓に車を停めて、そこから自転車です」
「そうですか。どれくらいかかりました」
「1時間半ぐらいです」
「そうですか。車でも30分ぐらいかかりますからね」
それから20分ほど、美術のこと、教え子のこと、美大のことなど、自身の経歴を交えながら話されました。
35歳で絵を始め、44歳で脱サラしてプロの絵描きになったそうです。
東京芸大は、偏差値は関係ない、絵が上手なだけでは合格しない、磨けば光る原石を発掘したい、天才・奇才を見つけたい、というのがポリシーとのこと。
愛知県芸大は、今、最も合格することが難しい美大かもしれない。頭が良くて、絵が上手い人を求め、大学の評価を上げようとしている。島田章三を教授に迎え、奈良美智を輩出して天狗になっている。
話が長くなりそうです。時計を見ると10時になろうとしていました。
「それでは、そろそろ失礼します」
作手の道の駅に向かって挙母街道を南下していると、事務局長さんやFOCUSの山田さんらの集団とすれ違いました。
もう、フランクフルトを食べたんですね。
と言うより、私が道草をして遅かっただけです。
ちょうど10時半に道の駅に到着、38.5km。
オートバイや自転車がぎっしりと停まっていました。車はあまり目立ちません。ここはツーリングのメッカなんですね。
レギュラーサイズのフランクフルト(350円)を注文。肉汁がしたたり落ちるジューシーさで、美味しい逸品です。これだけでも結構お腹が満たされます。ジャンボ(500円)やスーパージャンボ(800円)だと、食べきれないかも。
さて、折り返して、挙母街道を北上します。
平坦で風も爽やか。その心地よさにクランクもくるくる回ります。
緑の中に赤い彼岸花が映えて、そのコントラストが素適です。田んぼでは稲刈りが行われていました。実りの秋、収穫の秋を実感します。
「三河湖」の標識があったところで、左折。再び上り坂です。森の中の道です。
道路脇に狸の死骸がありました。車にはねられたのでしょう。犬猫の交通事故は街中でも見ますが、さすがに狸の交通事故死は初めて見ました。
羽布ダムを過ぎると、下り坂に変わります。
その先に、『香恋の館』があります。
なぜか、大滝詠一の『恋するカレン』を口ずさんでしまいました。
香恋の館には、地元の間伐材で作られたバイクスタンドが設置されています。「しもやま再来る(サイクル)プロジェクト」と命名されていました。自転車乗りに大勢来てもらいたいとの思いから作られたようです。ただ、立てかけられていたバイクは、私のビアンキ1台だけでしたが。
ソフトクリームを食べようと、香恋の館の売店に行ってみると、バニラ、抹茶、黒ごまなど種類があり、店のおばさんに聞いてみました。
「甘さの違いはありますか」
「一番カロリーの低いのは抹茶かな。でも、お兄さんなら何を食べても良いと思いますけど」
私の痩せた体型が、そう言わせたのでしょう。
抹茶ソフトを食べました。
国道473号は、延々と上りでした。途中、少しは下りがあるのかと思っていたら、結局、国道420号に行き着くまで上り一辺倒でした。脚が引きつりそうになるところでした。今日のコースの中で最もしんどかった。
国道420号は最初上りがあったものの、ゴールに向かってダウンヒルです。ペダルを回す必要がありません。苦あれば楽あり。先ほどの坂道を登り切ったご褒美です。
午後1時11分ゴール。
グランファンドはきついですが、変化があって面白いです。
使用自転車:Bianchi シクロクロス
走行距離:79.3km
所要時間:5時間11分