▲2017(平成29)年9月30日(土) 晴
峠に囲まれた盆地にある南信州の小さな村に行ってきました。
人口600人少々の長野県下伊那郡売木村です。
長野県最南端の村の一つで、愛知県豊根村に接し、標高1415メートルの茶臼山北麓に位置します。村の中心部でも海抜850メートルなので、名古屋より5℃から7℃くらい低い気温です。
この地形と冷涼を活かして取り組んでいるのが「走る村うるぎプロジェクト」です。
ロードワークに適した平地や峠越えの変化に富んだ7つのランニングコースを設定し、企業や大学の合宿を受け入れる態勢を整えています。そして10月上旬に開催される大会が「うるぎトライアルラン」です。
昨年第1回大会があり、申し込みしましたが、定員オーバーでエントリーできませんでした。今年は受付け開始早々に申し込み、参加できることになりました。
第2回大会は来月8日。今日の目的はその下見のためです。
コースの試走はもちろんですが、現地まで車でどれくらいかかるのか、どのような道路の状況かを確認するためです。
往路は根羽交差点を右折して県道46号・阿南根羽線を通り売木峠経由で行ってみました。かつてツール・ド・あいちグランフォンド奥三河で経験した道です。前からも後ろからも車が来ることはなく、こんな所でトラブルに遭ったら助けてくれる人は誰もいません。
朝6時45分に出発して9時25分到着。2時間35分、101kmの道程でした。
「売木」交差点の南に村役場があり、その周辺が村の中心部です。とは言っても、万屋のようなお店、ガソリンスタンド、自動車整備工場ぐらいしかありません。数百メートルも歩けば民家は途切れ、田園地帯に出てしまいます。
交差点の北に郵便局があり、西に「うるぎふるさと館」があります。村の特産物の直売とセルフサービスの食堂があって、小さな道の駅と言えるでしょう。浜松ナンバーや豊橋ナンバーのモーターバイクが何台か停まっていて、村で一番賑わっていたと思います。
そこに駐車し、MTBで下見開始。
売木川に沿った道を南に進みます。スポーツバイクに乗った少年とすれ違いました。
橋の手前で道は二股に分かれます。左は広い平坦な道、右は細い道で山に向かっているようです。
どちらに行けばよいのか?
マラソン大会要項の高低図を見る限り前半の6kmか7kmまではずっと上り。
たぶんこの坂を上っていけばいいだろう。もし間違っていたとしても良いトレーニングになるから、このまま進めばいい。
でも、車1台が通れる道幅しかないし、松ぼっくりや枯れ葉が沢山路面に落ちていて、不安になります。軽トラック2台とすれ違っただけで、後にも先にも人の気配はありません。
勾配は徐々にきつくなり、インナーギアにシフトダウン。涼しいのに汗だくです。
「日本一過酷なマラソン大会」
このキャッチフレーズが、なるほどと思えるような坂が続きます。
出発して40分余り、6km少々。道が途切れるところまで辿り着いたら、そこは放牧地の入口でした。関係者以外は入らないように警告する表示があり、しっかり柵扉に鍵が閉めてあって中には入れません。おそらくここが「ブナの峰牧場」に違いないでしょう。
今度は一気のダウンヒル。
風が汗を冷却して、寒いくらいです。何回も続くブラインドカーブにディスクブレーキが威力を発揮します。
分岐点に戻り北上。
道端の所々にランニングコースを示すカラーコーンが置いてあります。
静かな田園の中を爽快に走っていると、対向車線からマウンテンバイクの少年がやって来ました。会釈したら、彼も頭を下げてくれました。
丘の上に「うるぎ自然休養村」の大きな看板が見えました。上ってみると温泉施設と野球場やテニスコートがありました。合宿には良いところです。
11時半頃、うるぎふるさと館に戻り、ランニングシューズに履き替えます。時間がありませんでしたが、30分間周辺を走ってみました。
昼食はうるぎふるさと館の「つみ草食堂」にて『信州和牛どんぶり』(850円)を注文。味付けが少し甘めでしたが、肉もタマネギも、そしてご飯もとても美味しい。チェーン店のそれらとは全く質が違います。
隣のテーブルではDUCATI KUSHITANI HAMAMATSUの黒い革ジャンを着た白髪のおじさんが、信州蕎麦を食べていました。それも美味しそうです。
直売店ではウルトラマラソンで国内トップレベルの実力者、重見高好選手プロデュースのTシャツや本も販売されていました。地域おこし協力隊として「走る村うるぎプロジェクト」を推進している方です。
主な産業は農業とその加工食品の販売ぐらいしかありませんが、村内産のタカキビで作った「たかきびまんじゅう」をお土産に買いました。
午後1時15分、自宅に向かって出発。
復路は国道418号を通り平谷峠経由で平谷交差点を左折しました。国道はそれなりに道幅があって路面状況も良いのですが、勾配が急な感じがしました。売木峠経由の県道とどちらが走りやすいか、微妙なところです。どちらを通っても距離はさほど変わりません。時々車が行き交う国道の方が孤独感は少ないかな、という感じです。
午後4時18分自宅着。3時間3分、102km。往復203km、久々の長距離ドライブでした。
今のところ、予報では天気は良さそうです。本番はオフロードも走るので、雨は降って欲しくないですね。
使用自転車:cannondale Jekyll
走行距離:19.0km
所要時間:1時間21分
使用シューズ:converse マキシムⅢ
走行距離:3.6km
所要時間:30分