0320 ツール・ド・あいち 第18回ヒルクライム神坂峠

●2016(平成28)年7月3日(日)  曇のち雨

 「ぬるぬるだから気をつけて下山して!」
 事務局長さんの呼びかけに、気を引き締めて下り始めました。
 徐々に雨脚が強くなります。
 ブレーキレバーを握る手がしびれてきました。手の感覚が麻痺してきます。自転車を停め、手を休めます。また、走って、また、休み。これを5、6回繰り返します。
 「手が痛いですね!」
 そう言って抜いていく人もいました。
 地面を叩きつけるような雨になってきました。ブレーキレバーを力一杯握り締めても、制動が効かなくなりました。
 このままでは危ない。
 ぶつかってしまう。
 コース途中にあるトイレでしばし雨宿り兼休憩とします。
 全身ずぶ濡れ、こんな激しい雨の中を走ったことがあっただろうか? 記憶にありません。雨が弱くなる様子はなさそうなので、再び自転車に跨がりました。

 手を休めるため見通しの良い直線ではノーブレーキで疾走し、カーブでは充分に減速して曲がります。
 峠からクアリゾート湯舟沢のスタート地点まで1時間5分かかりました。上りよりも下りの方がずっと疲れました。雨と摩擦でブレーキシューが溶けてリムは真っ黒です。路面が乾いていればこんなことは無いでしょう。それと、ウエットコンディションの時はカンチブレーキよりもディスクブレーキの方が安定した制動能力があるのかな、と思ったりもします。

 振り返って、スタート時は曇でした。このまま曇りが続けば、絶好のサイクリング日和です。
 しかし‥‥。
 山の天気は変わりもの。走り始めて20分ぐらいしたところで、ポツリポツリと来ました。

 老人ホームの前辺りから「えきサイクル」の青いサイクルジャージを着た男女ペアの後に付きました。名古屋液済会病院のサイクリンググループです。私と同じような速度でしたので、自然と一緒になってしまいました。

 雨粒は次第に大きくなります。
 「降ってきましたね」
 大会でなければ、走る仲間がいなければ、引き返すところです。

 50分経過。
 「速い人は、もうゴールしてるでしょうね」
 「まだ距離は半分くらいかな」

 同じような森林の風景が続きます。厚い雲で下界は全く見えません。

 下山の人が一人二人と下りてきました。
 「お疲れ様。もう少しですよ」
 しかし、その「もう少し」が、実は結構長いのです。駿馬と牝馬の違いでしょうか。

 下山の人たちを10人以上見送った頃でしょうか、見慣れたコンクリートの壁面が見えてきました。峠の頂上です。
 雨の影響で去年より4分遅く、61番目のゴール。完走者は77人でした。

 600m先の山小屋で自転車を立てかけようとしていたら、岡崎のHさんが下山するところでした。真新しいパナソニックのチタンフレームのロードバイクです。チタンフレームは私も欲しいと思っていましたので、羨ましい限りです。
 「まつぼっクリさん、今、農業大学校にいるんですね。ブログ見てますよ」
 「えっ、なんで私がブログやってることを知ってるんですか。誰にも言ってないんですけど」
 「何か検索していたら、見つかったんです」
 Hさんは美合の辺りでも仕事をしているようです。

 山小屋で食べるカップ麺は、ひときわ美味しく感じます。カップ麺の提供サービスは今年が最後になりそうです。スタッフが高齢化して、準備が難しくなってきたからです。間宮理事長さんから事前にこのことを聞いていたので、有り難さ、温かさが身に染みて、余計に美味しく感じました。

使用自転車:Bianchi AXIS シクロクロス
走行距離:14.6km
走行時間:1時間50分(9時スタート、10時50分ゴール)

■費 用
高速道路代 春日井IC → 中津川IC  1,200円

■参加料
2,000円