0686 近代日本の挑戦者たち 博覧会にみる明治の三河

★2018(平成30)年11月4日(日) 雨ときどき曇

 自転車で走るつもりで早く起きたのに、外は雨。
 予定を変更して、電車とバスで岡崎市美術博物館へ行きました。

 今年は、日本の近代化への第一歩となった明治維新明治元年・1868年)から150年となる年です。
 今開催されているのは、日本の近代化に多大な影響を与えた博覧会をとおして、明治期における三河地域の歴史と産業を紹介する展覧会です。

 山野河海に恵まれた三河は古くから多様な産業が発達しました。
 岡崎で有名な企業としては、なんと言っても、「まるや八丁味噌」と「カクキュー八丁味噌」でしょう。
 岡崎市八帖町はかつて「八丁村」といわれていました。これは岡崎城より西へ八町(約800m)離れていたことに由来します。この八丁村で、早川久右衛門家(現・カクキュー)と大田弥治右衛門家(現・まるや八丁味噌)が、兵食として重要視されてきた味噌に着目し、味噌醸造を創業したことに始まります。

 この展覧会で初めて知ったのが、服部工業です。近代化の大きな原動力となった鋳造の会社です。当時鋳造された大きな釜や作業場の様子が写された古い写真などが展示されていました。現在は、業務用厨房機器の専業メーカーになっています。

 また、紡績業も多大な功績を残しています。ガラ紡の技術が、内国勧業博覧会での交流で三河の産業発展に影響を与えました。

 展示の最後にあった「大正五年岡崎鳥瞰図屏風」は最も印象に残った作品です。当時の岡崎の街並み、行き交う人々の様子が、やや漫画チックに、事細かに、大きな屏風に描かれています。平成27年(2015年)制作の新しいものですが、歴史を感じさせる作品です。

 この展覧会は岡崎市の産業と文化の系譜がコンパクトに展示されていて、とても勉強になりました。