▲2017(平成29)年10月8日(日) 晴
午前3時10分起床。
いつものとおりストレッチと軽い体操をして体を目覚めさせてから、身支度をして車に乗り込みます。
3時55分自宅発。
ちょうど40km走って、セブンイレブン豊田市足助町店にてトイレ休憩。
伊勢神トンネルを抜けると、霧が立ちこめ、俄然視界が悪くなりました。スピードを控えめにして慎重に運転します。
それにしても眠いです。
歳とともに車での移動が辛くなりました。
今日も往復200km運転しなければなりません。
レースそのものの疲労感は若い頃に比べ、そんなに増加したとは感じないのですが、会場までの往復がとても体に負担に感じるようになりました。
5時半過ぎ、道の駅どんぐりの里いなぶで、持参したパンとヨーグルトで朝食を済ませます。
トイレ横のスペースに寝袋が4つ、ロードバイクが4台ありました。長距離サイクリングのグループなのでしょう。
6時55分、売木小中学校の駐車場に到着。
7時15分からの受付ですので、駐車場には2、3台しか停まっていません。
村役場の駐車場には横浜や相模、大阪ナンバーの車が停まっていました。遠くは台湾からの参加者もいるそうです。
受付でくじを引いたら「D賞」で、マーカーペンを頂きました。
ナンバーカードは1枚だけですが、番号と選手名の下に
「最後まであきらめずにがんばってください。応援しています。 売木中3年」
とメッセージが印刷されていました。売木小中学校の生徒が一人一人書いてくれたものです。何百という大会に参加してきましたが、このような心遣いのあるナンバーカードは初めてです。
「すごい。頑張らなきゃ!」と声を弾ませる参加者もいました。
計測チップなどはなく、記録は手動計測です。参加者数が限られていて、フルとハーフで距離が長いからゴールで殺到することが少ないため、対応できるのでしょう。それに小さな村の手作りの大会ですから、経費を抑える意味もあるのでしょう。
また、グリーンレース実施のため、コース中の給水コップやゴール後無料提供される食事に使用する食器は大会側では用意されません。このため2週間前に、ボトルホルダーとコップを入れるポケット付きのウエストバックを購入しました。
8時30分から開会式。村長さんの挨拶の後、重見高好選手からコース説明や注意事項がありました。ブナの森牧場では100mごとに旗が立ててあるので、それ沿って走ってください、路面が濡れている箇所では転倒に注意してくださいとのこと。
午前9時、フルとハーフ、一斉にスタート。
参加者の大半は村のレースをエンジョイしようと思っているのか、我先にという人はほとんど見られません。
家の前で椅子に座って旗を振るお婆さん、玄関先で「ご苦労様」と声をかけるお爺さん。お寺の前では小学生達が応援してくれました。
村のメインストリートを抜けると、右折していきなり階段です。一列でしか通れないので渋滞です。
「さっそく休憩だ」と、慌てる様子もなく、皆順番を待ちます。
ほとんどの参加者はリュックやウエストバッグを身につけていましたが、私の前にいたカップルは何も持っていませんでした。給水はどうするのだろうと思っていたら、なんと、なんと帽子のつばに洗濯バサミで紙コップを挟んでいたのです。これなら煩わしいバッグを装着する必要がありません。
そのアイデアに脱帽です。
再び県道に戻り南下。エイドステーションでメロンをもらいました。
20頭ぐらいの山羊も放牧され、ゆったりした気持ちにさせてくれます。
右折して、前半の文字どおりの山場、ブナの森牧場への約3kmの上り坂が始まります。先週の下見でここは経験済み。ゆっくりでよいから走り抜くことを決めていました。あまりの勾配に、ほとんどのランナーは歩いています。自然と追い越していく状態になってしまいました。
しかし、体調に異変が。
腹痛で用が足したくなったのです。
ずっと便秘で、下腹部が非常に重く、詰まっているような状態が続いていました。腸が揺さぶられ続け、活動するようになったのでしょうか。
第1エイドのトイレを目指して、俄然スピードが上がりました。
必死でこらえながら、前を目指します。
「あとし少しです」
スタッフの声が聞こえました。
300mほどでブナの森牧場入口の第1エイドに到着。
「トイレはどこでしょうか」
「こちらです」
2台設置されていた仮設トイレに飛び込みます。
一変して下痢状態の便が飛び出しました。冷や汗も落ちました。
エイドステーションで、持参したコップにスポーツドリンクを入れてもらい、凍らせたイチゴをいただきました。
美味しい。
他の参加者も一様に「すごく美味しい」「甘くて美味しい」と食していました。
小学校5年生だという男の子と女の子も大人に混じってもてなしてくれました。
ここからは3km程のトレイルです。説明にあったとおり幟に沿って進みます。昨日までの雨でもっとぬかるんでいるかなと思っていましたが、結構乾いていました。第1回参加者の弁では、昨年はぐちゃぐちゃだったそうです。
コース最高地点からは、売木村の中心部をはっきり臨むことができました。名古屋では見ることができない、突き抜けるような青空が広がり、素晴らしい眺望です。これを見るだけでも参加した価値があります。
スマホで撮影する女性ランナーもいました。
会場まで来るのがしんどいですが、また参加したい、と思わせるコースです。
牧場出口には無人エイドが設置されていましたが、ここは通過。
長い下り坂が延々と続きます。ふくらばぎ、膝への衝撃が少なくなるよう、後半にダメージが大きくならないよう、気をつけながら下ります。何人もの若いランナーに追い抜かれました。
平地になると川に沿って未舗装の道を北上します。舗装道路に比べると草に絡まれたりぬかるみがあって少し走りにくいです。
「どっちに行けばいいんでしょう」
前を走っていた女性ランナーに聞かれました。
道が二股に分かれていました。今まで要所には矢印や「トライアルRUN」の表示があったのに、ここだけ何もなかったのです。
「たぶん左側でいいと思いますよ」
コース図では川沿いを走ることになっていたと思ったからです。
草道から大きく右に曲がって舗装道路に入ります。第二のトレイルに入る前に民家があり、久々に村民の応援がありました。
そこからがとんでもない上り坂です。
走るのは諦めました。歩いていてもハァハァ息が上がります。300mぐらいだったと思いますが、勾配が15%以上あるのではないでしょうか。前後にいたランナーも皆歩いていました。
下り坂の下では「農家民宿ゆりか」の人達が応援してくれていました。
再び川沿いの道に戻り、舗装道路を北上します。
コース図にはなかったので私設エイドでしょうか、おじさんが水とこんにゃくゼリーを提供してくれました。
河川公園にある第2エイドに到着。17km地点となっています。スポーツドリンクを飲み、冷えたブルーベリーを食べました。これも美味しい。
通過証明として缶バッチを渡され、「よく見えるところに着けてください」。
ここで再度トイレに駆け込み、便器にしゃがみます。晴天で気温も高く、シャツだけでなく、タイツやランパンまで汗で濡れていました。2回の用足しで、かなりのタイムロスです。おそらく15分ぐらいは損をしているでしょう。
再び川沿いの草道をしばらく走り、舗装道路に出ました。
左折して、県道に合流です。
「真っ直ぐ行ってください」
スタッフの声に励まされ、道路にの端を走ります。
あと3kmもない。体はヘナヘナでしたが、自然とピッチが上がります。前を歩いていた2人のランナーを抜きました。
左折して国道に合流。
売木交差点の信号が見えてきました。
「あと300メートル」とスタッフの掛け声。
お巡りさんが立つ交差点を越え、スタッフ指示に従って役場入り口を左折。
白いテープが待つゴールゲートを駆け抜けました。
目安としていた3時間は切ることができました。体調が万全なら2時間30分も切れたかもしれません。
しかし、久しぶりのハーフマラソン完走で達成感は十分です。
一人一人に表彰台の上で完走証と木製の完走メダルが手渡されました。
「総合ちょうど60位です。おめでとうございました」
更衣室に入ろうと、靴を脱ごうとしたら足がつってしまいました。ハードなマラソンでした。着替える前にしっかりとストレッチをしました。熟年にはクーリングダウンが必要です。
ゴール後の食事はとても充実していました。持参したお椀とお皿に豚汁、おにぎり2個、焼き肉、コロッケ、魚の塩焼き(おそらく岩魚だと思いますが)、たかきび饅頭をいただきました。弱った胃腸では食べきれず、おにぎり1個とコロッケはサランラップをもらって持ち帰りました。
食事中に、フルマラソンの部のトップがゴールしました。3時間22分07秒かかっています。ハーフマラソンのランナーもまだゴールしています。
「日本一過酷なマラソン大会」
この謳い文句は決して言い過ぎではありません。
<記録>
種目:ハーフマラソンの部
記録:2時間46分25秒
順位:60位(完走106人中)
使用シューズ:asics TARTHER ZEAL
優勝者タイム:1時間38分12秒
最終完走者タイム:4時間12分52秒
総参加者:234人(フルとハーフ合わせて)
<交通手段>
自家用車
往路:距離100km、所要時間2時間30分
復路:距離100km、所要時間3時間25分