◆2015(平成27)年8月16日(日) 晴時々曇のち雨
昨年11月以来、久しぶりのアウェイゲームの観戦です。
せっかく松本まで行くのだから、観光もしようと、途中の中山道・奈良井宿に寄りました。
奈良井宿は約1kmにわたって町並みを形成する日本一長い宿場町です。天保年間(1830~1843年)に建てられた漆櫛問屋の屋敷、昭和初期まで旅籠として使われていた建物など江戸時代の風情がそのまま残っています。昭和53年(1978年)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
私は古い町並みや建造物が好きです。心が落ち着いて、ゆったりした気分になれます。長い年月をかけて熟成された独特の風合いに魅了されるのです。
新しい物は、お金を出せばすぐに買えます。でも、古い物は簡単には買えません。
日曜日とあって、観光客もたくさんいました。
私たち家族は、『駒屋』で団子を食べました。
朝6時20分に家を出て、ちょうど6時間で松本平広域公園の駐車場に到着しました。すぐ横は信州まつもと空港です。
夜6時のキックオフだというのに、たくさんの松本山雅サポーターがやって来ています。
少し年配のサポーターの方に、スタジアムまでどれくらいかかるのか聞きました。
「10分ぐらいです。私の息子は名古屋にいるんですよ」
入場待機列にシートをおいて場所を確保し、近くにあった『味処 芭瑠酣(バルカン)』で、日替わり定食を食べました。刺身、ホタテのフライ、小鉢二品、ご飯、漬け物、味噌汁で1,080円。お値打ちで美味しかったです。
店主が「松本の水は旨いですよ」と水差しをカウンターに置いてくれました。
確かに美味しいです。何杯も飲んでしまいました。
山雅サポーター御用達の店のようで、店内は緑のユニフォームを着た人たちでいっぱいです。店の人によると、ここで食事をすると、試合終了まで店の駐車場に車を停めておくことができるそうです。
フォールディングバイクを組み立て、松本観光に出発しました。行く当てはありません。スタジアムのスタッフに尋ねたら、松本駅までは8kmぐらいとのこと。
中心街に向かって走っていると、「松本城」の案内標識が目に入りました。
「よし、行ってみよう。」
案内矢印を頼りに、そして復路のことも考えて、イトーヨーカドーやコンビニなど目印をチェックしながら、ペダルを回します。こんな時、サイクルナビゲーションがあれば便利なんでしょうね。
松本城に誘う最後の道には、自転車専用帯がペイントされていました。とてもわかり易いです。
松本城の前に観光情報センターがありました。地図をもらおうと訪ねたら、ボランティアのおじさんが、「中町通りにも行ってみてください。蔵のある街で、見所が多いですよ」と、地図と観光リーフレットをくれました。
「ありがとうございます」
地図をバッグにしまい、一服しようとペットボトルを取り出し、飲んでいると、先ほどのおじさんが、
「目の前に『大名小路井戸』があるので、飲んでみて。冷たくで美味しいですよ」
滾々と湧き出る水を飲んでみました。
本当に冷たくて旨い!
松本の水は最高です。
松本城は、文禄年間(1593~1594年)に建てられ、戦国時代そのままの天守が保存されています。五重六階の天守としては日本最古のものだそうです。
昭和11年(1936年)、国宝に指定され、姫路城、彦根城、犬山城とともに四つの国宝城郭のひとつです。
それから、松本城の北にある旧開智学校へ行きました。明治6年(1873年)、文明開化時代に建設された洋風の小学校校舎です。昭和36年(1961年)に重要文化財に指定されました。
時間があれば、観光情報センターで紹介していただいた中町通りにも行ってみたかったのですが、今回は断念しました。
スタジアムに戻る途中、緑色の派手なバスに追い抜かれました。松本山雅の選手達を乗せたチームバスです。
松本平広域公園総合球技場「アルウィン」は新しい球技場ですが、少し配慮が足りません。
一つはトイレの数が少ないこと。アウェイ側スタンドには1箇所だけで、小便器が6器か7器しか無かったと思います。ハーフタイムには長い行列ができました。人が集まる場所で一番重要なのは十分な数のトイレがあることです。人間の生理現象を素早く、快適に処理できることが、良い施設の条件と言えるでしょう。
二つ目は雨や直射日光をしのぐ場所がないこと。スタンドはともかく、通路に屋根はありません。雨の日は待避場所がない状態です。これは辛いです。
Jリーグクラブライセンス制度における施設基準では、
① スタジアムの入場可能人員がリーグの規定
(J1は15,000人、J2は10,000人)を上回っていること
② スタジアムの観客数1,000名あたり、洋式トイレ5台以上、男性用小便器8台以上を備えていること
③ スタジアムに観客席の3分の1以上または観客席すべてを覆う屋根を備えること
となっています。
スタジアムの周辺に飲食店やコンビニが少ないため、屋台の出店が多いのは助かります。ただ、こういう所の食べ物は内容や量の割に値段が高いです。夕食におでんと豚まんを買いましたが、500円と350円でした。
さて、山雅サポーターの大声援の中、試合が始まりました。
人口24万人の松本市で17,442人もの入場者数ですから、人口の7%以上の人たちがスタジアムに集結することになります。名古屋では1%も集まらない訳ですから、その熱心さがわかります。
グランパスは何度かゴール前まで攻め込むものの、シュートまで持ち込めず、攻めあぐねる展開です。松本はロングボールを放り込んでシュートを打ち込んできます。危ない場面が何度もありました。
サポーターから「なにやってんだ!」「しっかりしろ!」の声。
しかし、松本のシュートは枠の外ばかり。精度の無さに救われました。
矢田旭のゴールを守りきって、1対0。名古屋の辛勝でした。
戦いが終わって、名古屋サポーターから
「ハユマ! はゆま!」
のコールが起きました。元名古屋の田中隼磨へのコールです。自らチームを去った訳ではないので、今でも名古屋サポーターから愛され続けています。チーム事情があったにせよ、放出して欲しくなかった選手です。
アウェイゲームでの勝利が気持ちが良いのは、圧倒的なホームサポーターの前で勝利のパフォーマンスができることです。
「名古屋は良いお土産になったなあ」
「J1残留は厳しいなあ」
「これから上位陣と当たる。奇跡が起きないと‥‥」
山雅サポーターの会話が聞こえてきました。
山雅の選手の皆さん、山雅サポーターの皆さん、来年も松本に来られるよう、残留に向けてがんばってください。
使用自転車:TREK F600
走行距離:27.5km
走行時間:1時間46分