0098 第10回渥美半島ぐる輪サイクリング

■2014(平成26)年10月18日(土) 晴

 自宅から健康の森まで1時間、17kmの道程でした。
 生き生き長寿フェアの役割を終え、大府駅に自転車を走らせます。輪行袋に手早く自転車を収めると、13時48分発の快速に間に合いました。
 フェア主催者から配給された助六寿司を食べ終えると、列車は矢作川を渡っていました。結構早いものです。40分足らずで豊橋着。豊橋鉄道渥美線に乗り換えます。
 豊鉄に乗車するのは何十年ぶりのことでしょうか。

 ホームには、古いけれど「バラ」の花が描かれたステンレス製の洒落た車両が待っていました。終点の三河田原駅まで「菜の花」「菊」「菖蒲」「はまゆう」「しでこぶし」「椿」の6本の列車とすれ違いました。花の栽培の盛んな土地柄に因んで、列車に花の名前が付けられているのです。

 天井には扇風機がありました。ノスタルジックです。それもそのはず、連結部付近の壁の上部に「東急車輌 昭和42年」のプレートが。その横には、
「Made in Japan by TOKYU CAR MANUFACTURING. CO. LTD under licence from THE BUDD      COMPANY Philadelphia. Pa. U.S.A.」
と書いてあります。直訳すると
「(この車両は)アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアのバッド社のライセンス契約に基づいて東急車輛製造によって日本で製造された」
となります。
 東急車輛ステンレス車両を多く製造していたアメリカの車両メーカー、バッド社とライセンス契約を結び、技術を輸入してオールステンレス車両を製造しました。豊鉄はその車両を譲り受け、渥美線で走らせているのです。

 新豊橋駅から35分で、3両編成のステンレス製の列車は三河田原のホームに入りました。
 初めて降車する駅です。駅舎もホームも近代的で新しいことに驚きました。
 自転車を組み立て、地図で道を確認。午後4時のスタッフミーティングまで30分を切っていましたが、たぶん間に合うでしょう。

 蔵王山山頂にある風力発電のプロペラが目印になります。道路標識の「白谷」の矢印に導かれ、迷うことなく白谷海浜公園に到着。
 愛知県サイクリング協会の面々が駐車場に集まっていました。「立哨お疲れ様!」とYOさん。マラソン大会のスタッフのため、遅れてくることは伝えてありました。協会メンバーは、午前中から会場設営やコース案内板の設置などをやっいたのです。
 センターハウスの2階で、サイクリング協会、深谷産業社員、ふたば屋輪店精鋭隊、シマノキャットアイの方々が集合して、明日の大会準備状況の確認がされました。

 午後6時からは、ロワジールホテル豊橋に移動し、懇親会。サイクリング協会の鈴木会長、株式会社箕浦箕浦社長、重鎮の方々も参加されています。
 私が座ったテーブルでは、深谷産業社員のMさんから、自転車業界の話を種々伺うことができました。
 かつてシマノと覇権を争っていた前田工業のサンツアーは、台湾でSRサンツアーとして名前だけが残っていること。
 ハンドルの日東やギアのスギノ、ヨシガイ、ダイヤコンペ、鹿島サドルなど、かつてはいろいろな自転車部品メーカーが存在していたが、現在では、細々と生産を続けているか、名前だけが残り、台湾や中国での生産になってしまったこと。
 そして何より、シマノに収斂されてしまったこと。
 深谷産業が扱っている「EDDY MERCKX」もベルギー製から台湾製に変わってしまったこと。

 懇親会のあと、ホテルの周りを散策してみました。
 9時になろうとしているのに、反射材を身につけた人たちが何人も歩いていました。「第19回三河湾チャリティ100km歩け歩け大会」のゼッケン。碧南市臨海公園を朝8時にスタートし、豊橋で折り返し、西尾市のみかわ温泉海遊亭までを2日間かけて歩く大会です。速い人で明日の早朝5時頃ゴールするようです。

 ホテルには中国人観光客が多数宿泊していました。隣のイトーヨーカ堂にも、中国語が飛び交っていました。豊橋に泊まって、何を観光するのでしょうか。

 明日は朝6時にホテルを出発ですので、早々にベッドに潜り込みました。


■2014(平成26)年10月19日(日) 晴

 隣部屋のKIさんの大きな話し声で、4時前に目が覚めてしまいました。同室のYOさんも目が覚めたようです。

 5時半からバイキングの朝食を取り、送迎バスに乗り込みます。
 車窓から、自走での参加者を何人か目にしました。

 第10回の記念大会らしく、立派なステージが設けられ、地元田原中学校ブラスバンド部のファンファーレで開幕。恥ずかしながら、私たちスタッフもステージ上で紹介されました。

 選手のスタート前にYOさんと、Cコースの9km地点の立哨ポイントに向かいます。
 10時過ぎ、先頭の自転車がやって来ました。
 大石交差点の横断信号は非常に短いので、素早く渡ってもらわねばなりません。
 最終ライダーが通過したのは11時過ぎ。9km走るのに1時間半以上もかかるとは、ウォーキング並みです。でも、ファミリーコースなので小さな子供連れ参加者なら仕方がないですね。

 任務を終え、Cコースをトレースして白谷海浜公園に戻りました。

 サンドイッチと豚汁のランチを食べながら、本日のゲスト、田原の3人組アイドルユニット『La 花ノたみ』そして『大名古屋ブラザーズバンド』のステージに目をやります。

 私たち自転車乗りにとって、メインはやはり、プロ・マルチアスリート小笠原崇裕選手のトークショーでしょう。マウンテンバイクの監督もされている小笠原選手は1980年生まれ、地元田原市出身です。
 次の日曜日にハワイで開催されるエクステラ(xterra)に日本代表として参戦されるとのこと。
 エクステラって何? 初めて聞く言葉です。これは「トライアスロンのオフロード版」です。スイム(1.5km)、マウンテンバイク(30km)、トレイルラン(11km)の3種目を1人の競技者が連続して行うワイルドさ溢れる複合スポーツで、1998年、ハワイ州マウイ島を舞台にスタートしました。大自然と触れ合いながら競技する点で、トライアスロンとは異なる魅力を持つようです。
 小笠原選手は、ここ渥美半島には海があり山があり、エクステラの3種目が同時にできる素晴らしい場所だと言っていました。

 ゴール終了の4時をまわって、ようやく蔵王山登頂&渥美半島一周のAコース(90km)の最終ライダーが到着しました。赤羽根海岸太平洋ロングビーチ恋路ヶ浜などなど、渥美半島の豊かな自然を満喫したと思います。

 事故もなく、素晴らしい天気に恵まれ、最高の記念大会となりました。
 参加者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

使用自転車:トレック F600
      走行距離   走行時間
1日目  25.7km  1時間31分
2日目  31.5km  1時間51分
 計   57.2km  3時間22分