■2014(平成26)年4月20日(日) 曇のち雨
1991(平成3)年から始まった「ツール・ド・あいち ロングライド三河湾一周」も、今回が最後の開催となりました。名鉄海上観光船が師崎・伊良湖カーフェリーを今年9月末で廃止する方針であるからです。
近年、高速道路が整備され、高い船賃を払わなくても、さほど時間をかけずに陸路で移動できるようになった影響が大きいのでしょう。利用者の減少が続き、採算が見込めなくなったのです。行政の公的な支援がない限り存続は難しい。
フェリーがなくなると、この大会はできません。
師崎港まで自走で行ける人は別として、ほとんどの人は車で参加しています。
車はゴールの豊浜漁港に駐車し、豊浜漁港から師崎港まで約5kmは自走。フェリーで海峡を渡ります。
伊良湖岬をスタートし、国道259号、国道23号(豊橋バイパス)、蒲郡、三ヶ根山北側、県道41号線、衣浦海底トンネル、半田、武豊、河和、矢梨交差点を経由し豊浜漁港にゴールする三河湾一周112kmのコースとなります。フェリーがなければなすすべがありません。
8時35分、「フラワーライン」出航。
車両デッキには100台あまりの自転車が並びました。実に壮観な光景です。だけど、車は1台も積まれていません。う~ん、これでは赤字になりますね。
洋上での開会式は強風で立っていられないほどの風と揺れでした。船酔いになる人もいました。
これだと渥美半島内は強烈な風に見舞われるに違いありません。
9時30分スタート。国道259号を北東に進むと、期待に違わぬ(?)強風に苦しめられました。
これが追い風なら! どうしていつも向かい風しか吹かないのでしょうか? 不思議です。それに風で体温が奪われ、4月とは思えない寒さ。
いつもなら道の駅「田原めっくんはうす」で休憩を取るところですが、今日は向かいにあるローソンでトイレ休憩としました。雨がぽつりぽつりと降ってきたので、少しでも時間を稼ごうと思ったのです。
信号で止まっていたら、うしろから声をかけられました。
「塗装したんですか?」
私のロードバイクのことでした。
「いえ、オリジナルです。オーダーで作ったんです」と私。
「オシャレですね」
そんな嬉しい言葉を言われたのは初めてです。
「鉄ですか?」
「そうです。クロモリですよ」
自分と同年配と思われるピナレロの男性です。一目でピナレロとわかる湾曲した特徴あるフロントフォークとシートステイで、いかにも高級車然としています。
思わず、「いい自転車に乗っていますね」と声をかけました。
「そちらだっていい自転車じゃないですか」
国道23号の側道は、3つの川越が煩わしいところです。なかでも豊川橋は、歩道の整備が未だ手つかずで、取って付けたような仮設の橋を渡らなければなりません。
ピナレロさんも「すごく怖いですね」
ふらつくと豊川に落っこちそうな感じです。ゆっくりと慎重にペダルを漕ぎます。自転車を降りて渡る人もいました。
進行方向が西向きになると、一転、風は追い風。30km以上楽にスピードが出ます。
「渥美半島は地獄でしたね」とピナレロさん。
「本当にそうですね」
ピナレロさんは参加者ではなく、友人に付き合って蒲郡まで走っていたそうです。
「おかげで道に迷わず、来られました。ありがとうございました」とお礼を言われ、ラグーナ蒲郡で別れました。
蒲郡市街地への東の関所とも言うべき坂を越えます。
お昼は「すき家 蒲郡三谷北通店」で牛丼並盛り、270円也。
私の場合、必ずレシートをもらいます。その店を何時頃利用したかが正確にわかるからです。
支払い時刻は「12時48分」。さらに「オーダー受信時刻 12時37分」まで記載されていました。
蒲郡市街地を抜けるために避けられない西の関所が、愛知工科大学前の坂。東海道線を跨いで、今度は幸田町内のだらだら坂。県道41号、西尾に入ってようやく平坦になります。
雨脚が少し強くなってきました。天気予報では曇だったのに完全に外れました。こんなことならレインウェアを持ってくればよかった。
矢作川大橋を超え、碧南市、そして衣浦海底トンネルの階段入口へ。そこで、電ちゃんとFOCUSの山田さんに追いつき、通りがかりのGIANTのTシャツのお兄さんに集合写真のシャッターを押してもらいました。
半田市内ではお祭りが行われ、交通規制がされていました。雨の中、お互いご苦労様です。
豊浜まであと20数キロですが、知多半島を南下する際の向かい風も難敵です。雨に濡れ、早くゴールしたい気持ちが募ります。
武豊線の転車台・ポケットパークでトイレ休憩。レーサーパンツの中まで濡れていました。
武豊火力発電所前の交点、なんで車が数珠つなぎになっているんだろう、と思っていたら、事故でした。プリウスのボンネットが大破して片側1車線を塞いでいたのです。
雨だから慎重に行かねば。気持ちを入れ替えました。
既にゴールし、帰路につくローディ2人とすれ違いました。トップの人は午後1時過ぎにはゴールしています。速いですね。
河和を過ぎ、国道247号「矢梨」の交差点を右折し、丘を越えると、豊浜漁港となります。
途中、坂道で自転車押して歩いている参加者がいただけで、単独走行が続きます。
15時39分、「愛知県サイクリング協会」のオレンジの幟がたなびくゴールに到着。
既に70人近くの人がゴールしていました。11歳から73歳まで約100人の参加者でしたから、まだ走っている人は、あと20数名でしょうか。
初出場が2001年4月8日、今回で通算9回参加。
大会最後の参加日が自分の誕生日と重なったのは、忘れられない記念になりました。
使用自転車:パナソニック POS クロモリロード
走行距離:112.1km
所要時間:6時間9分