0402 長谷川潾二郎展

▲2017(平成29)年1月20日(金) 曇時々雨

 東岡崎駅から名鉄バスで『美術博物館』で下車。岡崎中央総合公園内にある岡崎市美術博物館(マインドスケープ・ミュージアム)は近代的でオシャレな建物です。ここで開催されている「長谷川潾二郎展」に行きました。

 長谷川潾二郎(1904年~1988年)は、戦前から戦後にかけて活躍し、画壇の世界に属さず、流行にも迎合せず自分の納得する絵を描き続けた画家です。
 印象に残ったのは『芭蕉の庭』です。
 芭蕉はバショウ科の大形多年草で、高さは4、5メートル、葉は約2メートルの長楕円形となります。その大きな芭蕉の下で少女2人が赤い敷物の上で向かい合って正座しています。少女は少し漫画チックに描かれていて、ワカメちゃんのような感じです。写実的でありながら幻想的で、遠近感があるようでないような不思議な絵に思えました。
 もう一つ心に刻まれたのが、キャプション(caption)にあった「自由に歩き、絶えず新鮮な事物に触れて感動することが、自分の生き方の第一歩であった」という彼の言葉です。潾二郎は晩年股関節の病で自由に歩くことが困難になりました。しかし、アトリエから見える身近な風景や静物画を中心に描くことで筆を置くことを諦めませんでした。自由な歩行を奪われても創作活動を続けた彼の意欲と情熱に心を打たれます。

 美術にしろ、音楽にしろ、芸術は仕事や生活で疲れた心を整えてくれるものです。