◆2022(令和4)年10月20日(木) 晴
朝5時半に自宅を出て、名鉄堀田駅から名古屋駅へ。近鉄の窓口で「荷物があるので一番後ろの席にしてください」。
6時30分始発のアーバンライナーに乗車。最後列の席だと、その後ろにスペースがあるので輪行袋を置くことができるのです。
近鉄・大阪上本町駅は地下なので、輪行袋を担いで地上に出るには少々難儀です。
フォールディングバイクをセットし、いざ出発。
谷町九丁目交差点を左折し、府道30号線を南下します。
正面にひときわ高いビルが見えてきました。あべのハルカスです。天王寺駅を過ぎると道路中央に線路がありました。
あれ? 大阪に路面電車ってあったっけ?
それは阪堺電気軌道の上町線でした。
大都会の大阪にチンチン電車があるとは知りませんでした。意外な発見です。
大和川に架かる遠里小野橋を渡ると、堺市。
しばらく走ると右手に真新しいビルがありました。今年3月に移転リニューアルオープンしたばかりのシマノ自転車博物館です。
10時10分、上本町駅からは11kmほどです。
入館料500円を払って、駅の改札のようなゲートを通ると、ヒストリーシアター。自転車の歴史を辿る「自転車の誕生とあゆみ」を上映しています。
2階に上がると、3つのソーンがあります。
Aゾーンは「自転車のはじまり」として、黎明期と発展期の自転車が展示されています。地面を脚で蹴って進むドライジーネ、前輪に直接ペダルを付けたミショー型、前輪を巨大化させたペニー・ファージング型(だるま車)など、200年前の自転車がよく残っていたなと、感銘を受けました。
Bゾーンは「自転車のひろがり」として、展開期を代表する多様な自転車が展示されています。
目を引いたのはフラッシャー自転車です。展示されていたのはアラヤ工業のスワロー自転車。懐かしいですね。子供の頃の憧れの自転車でした。高価なので私は買ってもらえませんでした。現代から見ると派手に電飾化された自転車です。大きな前照灯とテールライト、方向指示器、自動車のようなシフトレバー、メーカーによってはディスクブレーキのものまでありました。
フレームの素材別では、カーボンフレームはヨネックス、金属フレームは東洋フレームの物が展示されていました。製造に手間のかかるカーボンはほとんど中国や東南アジア製ですが、ヨネックスは数少ない日本製です。東洋フレームも今では稀少となったHANDMADE IN JAPANのクロモリフレームメーカーです。
Cゾーンは「自転車とこれから」として、サスティナブルな社会に向けて豊かなくらしに貢献する自転車を展示しています。
また、吹き抜け空間に沿って自転車ギャラリーがあり、近年の見慣れた各メーカーのスポーツサイクルが展示されています。
4階は自転車歴史回廊として、自転車部品の歴史展示や自転車に関する書籍や情報を見ることができます。なかでも歴代のデュラエースの展示には見入りました。私が現在も所有しているパナソニックのクロモリロードバイクには、デュラエースのシートポストが付いています。今では手に入れることができません。サイクルショップで「大事に使ってください」と言われたくらいの代物です。
退館前に受付の若い女性職員に写真を撮ってもらいました。
「この近くで、美味しいランチを食べれるお店はありませんか」
「店の名前は忘れましたが、向かいにイタリアンの店があります」
残念ながらその店はお休みでした。
博物館からさらに南下していくと、南海堺東駅前にラーメン屋を見つけました。『RAMEN LABO うさぎ』というカウンターだけの小さな店です。煮玉子入りの醤油ラーメン(980円)は、平均点以上の旨いラーメンでした。
クボタ堺製造所の奥にシマノの本社がありました。
堺市は、鍛冶屋の職人たちが集積し、16世紀以来包丁と鉄砲の町として発展しました。明治に入ってから自転車の部品や完成品の生産に業種転換し、日本の自転車産業の中心地となっていきました。その頂点に立つのがシマノです。
ここがスポーツ自転車部品の世界最大手企業の本社か!
中に入ることはできませんが、外回りをぐるっと一周しました。
帰路につく前に、仁徳天皇陵古墳を一周してみました。5世紀中頃に造られたと推定される前方後円墳です。周遊道路は2,850メートル。エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵とともに世界三大墳墓の一つに数えられるだけあって巨大です。ただ、自転車からは、堀に囲まれた森にしか見えません。
都会のごみごみした道路を走って、近鉄大阪難波駅に到着すると午後3時をまわっていました。
初めて乗車した特急ひのとりは、メタリックレッドの鮮やかなボディーで、名鉄のスカーレットレッドよりも高級感が漂います。シートピッチに余裕があり、高さ調整機能付きのフットレストもあって、とてもくつろげます。荷物置きスペースもあって、輪行には嬉しいつくりです。
名古屋から大阪に行くのは、一般的には新幹線でしょう。所要時間50分、運賃+普通車指定席で6,680円(通常期)。一方、「ひのとり」は最速で2時間5分、運賃+特急料金(レギュラーシート)4,540円。時間は「のぞみ」の2.5倍かかりますが、乗車賃は3分の2程度で済みます。
時間に余裕があって快適な空間での移動を好むのであれば、近鉄を選択するのも価値があると思います。
さらに、近鉄難波駅は大阪の真ん中ですが、新大阪駅は中心部から離れています。下車してからの利便性もミソだと思います。
あれっ? 沈下橋?
車窓から欄干のない幅の狭い橋が目に入りました。沈下橋と言えば、高知県の四万十川ですが、三重県にもあったとは!
調べてみると、雲出川に架かる「石橋の潜水橋」だそうです。三重県には他にも「比土沈み橋(伊賀市)」や「朝日沈み橋(名張市)」などが存在しているとのこと。是非行ってみたい意欲に駆られました。
これも、近鉄に乗車して得られた発見に他なりません。
使用自転車:TREK F600
走行距離:35.9km(累積244km)
走行時間:2時間40分
所要時間:13時間20分(5時30分~18時50分)
<行程・経費>
5:30 自宅発
5:58 名鉄堀田
6:07 名鉄名古屋 230円
6:30 近鉄名古屋 特急アーバンライナー
8:57 大阪上本町
乗車券 2,410円 特急券 1,930円 計4,340円
9:15 大阪上本町駅出発
10:10 シマノ自転車博物館
12:58 ラーメンうさぎ 980円
15:15 近鉄大阪難波駅到着
16:00 近鉄大阪難波 特急ひのとり
18:08 近鉄名古屋
乗車券 2,410円 特急券 2,130円 計4,530円
18:21 名鉄名古屋
18:30 名鉄堀田 230円
18:50 自宅着
交通費合計 9,330円