1068 Cannondale Jekyll(キャノンデール・ジキル)

■2021(令和3)年7月17日(土) 晴

 パーツを交換した私のキャノンデール・ジキルのトップチューブには「HANDMADE IN USA」のデカールがあります。このマークはCANNONDALEを象徴し、他のメーカーとの違いを表現するものでした。私は「HANDMADE IN USA」の文字に憧れ、このCANNONDALEを購入し、CANNONDALEを愛して来た一人です。
 (ジキルは、スティーヴンソンの『ジーキル博士とハイド氏』に由来しています。)
 しかし、このデカールは2011年から全てのモデルから消えてしまいました。

 キャノンデールは1971年、コネチカット州で創業しました。そのオフィスの向かい側にあった駅が、メトロノース鉄道キャノンデール駅。これがそのまま社名となったのです。
 アメリカ国内でのフレーム生産をセールスポイントとして、フレームに張られた「HANDMADE IN USA」というデカールで他メーカーとの差別化を図ってきました。
 また、フロントサスペンションをヘッドチューブに内蔵させた「head shock(ヘッドショック)」は、他社にない独自の構造でした。パーツやアパレルも製造していました。

 全てのフレーム制作をHANDMADE IN USAにこだわったメーカーでしたが、モーターサイクル事業に乗り出したことで経営が悪化し、2003年に倒産したのです。他社の傘下となった頃からエントリーモデルを台湾生産に切り替え、2010年をもってアメリカ生産が無くなってしまったのでした。
 2011年モデルから、他のメーカーと同様、全てをアジア生産に切り替えたのです。
 今は、自転車製造の主力は人件費の安い中国や台湾での大量生産が当たり前になっています。

 キャノンデールは、自社の優位性を次のように宣伝していました。
『ほとんどの自転車会社が極東(アジア)メーカーで作ったモデルを販売しているが、これは(会社同士で)互いに同じようなフレームのコピーを販売しているも同然だ。キャノンデールはオリジナルの開発で、特許を保有しており(米国特許を48取得)、アメリカ国内で手作りしている。我々のフレームは、他社の「火であぶって脆くなった金属」とは異なり、ハイグレードのアルミ製で、航空機で使われているものである。コネチカット州ジョージタウンの本社開発部でCADを使って設計し、このデータをペンシルベニア州ベッドフォードやフィリップスバーグの工場に転送し、コンピュータ制御のハイテクレーザーで設計通りにアルミが切断され曲げられる。これでキャノンデールは開発と製造の所要期間を最小限にした。125,000平方フィートのベッドフォード工場には23エーカーの土地があり、ここが自転車とウェアの主要生産拠点となっている。またここは、カスタマーサービスの拠点でもある。4万フィートのピッツバーグ工場は12エーカーで、関連商品(アクセサリー)やウェアの一部、自転車の補助部品を製造している。』

 「HANDMADE IN USA」が消えてちょうど10年経ちました。今のキャノンデールは、ブランドだけが残って、中身は他社と同じく台湾や中国での大量生産品となりました。とても寂しく残念に思います。と同時に、より一層、美しいアルミフレームの「HANDMADE IN USA」のジキルに愛着がわくのです。