■2019(令和元)年12月24日(火) 晴
年間の訪日外国人数目標4,000万人を達成するため、政府は海外で人気がある「自転車ツーリズム」に本腰を入れようと、国際水準の自転車道として、「ナショナルサイクルルート」を指定しました。
国土交通省が今年11月7日、第1次指定ナショナルサイクルルートを発表したのがそれです。
選ばれたのは「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県)、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」(茨城県)、「ビワイチ」(滋賀県)の3ルート。
全国的に知名度が高い「しまなみ海道サイクリングロード」は、広島県尾道市のJR尾道駅から愛媛県今治市のサイクリングターミナル「サンライズ糸山」までの全長70キロ。瀬戸内海の島々をつなぐ橋を渡りながら、本州から四国へと走るルートです。サイクリング客に対応した休憩所やサイクリスト専用ホテルなどが整備されているほか、道路には推奨ルートを明示するブルーラインを引いてあるなど、走行環境も整っています。
「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、茨城県桜川市のJR岩瀬駅から茨城県潮来市の水郷潮来バスターミナルに至る全長176キロ。旧筑波鉄道の廃線跡地を活用しており、霞ヶ浦湖岸を1周するルートになっています。2018年に、全国初の鉄道駅直結サイクリング拠点として「りんりんスクエア土浦(ゲートウェイ)」を開業。多言語対応したサイクリングマップや路面のルート案内表示なども整備されています。
琵琶湖を1周する「ビワイチ」は、滋賀県大津市の瀬田唐橋を起点とする、反時計回りの一方通行ルート。全長は193キロ。守山市が運航する「漁船タクシー」など、湖上交通と組み合わせて、体力に合わせて気軽にサイクリングを楽しむための取り組みが行われています。案内表示やサポート拠点も整備されています。
国交省は、東京オリンピック・パラリンピックが迫る中で、「日本にも国際水準のサイクリングロードがある」と発信することで、日本を訪れるサイクリスト、さらにはリピーターを増やしたい考えのようです。
愛知県でも「ナショナルサイクルルート」に指定されるコースができることを期待します。渥美半島や知多半島は、十分にそのポテンシャルがあると思います。
ただ、現状では、「しまなみ海道」や「ビワイチ」ほどサイクリングロードの整備や魅力向上の取り組みが進んでいません。安全に走れる道路の整備やルート案内標識の設置など、サイクリング客の受け入れ態勢を整えてほしいものです。