■2019(令和元)年12月14日(土) 晴
江戸時代、旧東海道の「熱田の宮の渡し」から「桑名の渡し」までのメインルートは船の旅でしたが、海上七里を嫌った旅人が陸路を通ったのが佐屋街道です。
ところが、幕末ごろから佐屋川の水が減ったことで、大型船の遡行が難しくなっていたことから、明治5年に熱田から弥富の前ケ須まで、当時干拓された新田を通る新たな街道ができました。これが、明治の東海道です。
この道は、木曽川を渡る尾張大橋ができて、1934年(昭和9年)に現在の国道1号が通るまで、幹線道路の機能を果たしていたのです。
今回の探訪あいちは、この明治の東海道をたどるサイクリングです。
熱田・宮の渡し公園に、12人サイクリストが集まってくれました。
掲示板への参加表明は14名でしたが、2名来ていません。
「(開催日を)日曜日と間違えていないかな?」
集合時間となったので、ミーティング後、出発することにしました。
まずは大瀬古橋で堀川を渡り、南へに向かいます。千年(ちとせ)から現在の東海通の1本南側の細い裏道を西へ進みます。
東海橋を渡ってからは東海通に出て、庄内川を明徳橋で渡り、続く新川を日の出橋で渡って左折。交通量の多い東海通から離れます。
新川べりを少し南に行き、右折して再び西に向かいます。ここからは神社、寺、地蔵堂が多い旧道です。
国道302号を渡ると右手には南陽町役場跡があります。道はさらに西へ。
再び東海通に合流すると、河合小橋、続いて日光大橋、さらに善太橋と3つの橋を渡り、すぐに左折し道は南へ、ここから弥富市に入ります。
宝川に突き当たって川を回りこむ道から離れ、旧道は直進して行きます。
1時間ほど走ったところで、コンビニにてトイレ休憩。朝方の冷気と歳のせいで用足し時間が早いです。
再び旧道に戻って西に進むと、右手にある山神社境内に松があります。
「二つお宮の松」(市指定文化財、天然記念物)は、昭和34年の伊勢湾台風で壊滅的な被害を受けたこの地区で、奇跡的に生き残ったという松だそうです。
その先には「明治天皇西蜆御小休止所」の碑。左の石碑には文部省の文字があります。京都から江戸に向かう天皇や皇族も通った証です。
子宝橋を渡って右折。
三ツ又公園は、大きな池やウォーキングコースもあり、園内でマラソン大会などのイベントも行われる、弥富市最大の公園です。春には芝桜がきれいに咲きます。
海南こどもの国を右折し道なりに進むと、日の出小学校の西に、弥富市天然記念物「おみよしの松(黒松)」があります。
見事な幹と枝が圧巻です。その脇の伊勢湾台風の記憶をとどめる「水難の碑」は元総理大臣・岸信介書です。
剪定をしていた作業員の方に集合写真のシャッターを押してもらいました。
前ヶ須にある「弥富市歴史民俗資料館」に到着。
小さな資料館ですが、ほかの市町の資料館と違うのは、生きた金魚と白文鳥を飼育展示していることです。
1階ロビーには金魚の水槽がずらりと並び、ワキン、リュウキン、ランチュウなど日本で流通している約20品種の金魚が泳いでいます。弥富市は市販されている金魚のほとんどの種類を生産し、中でも高級金魚の産地として知られています。高いものだと十数万円するそうです。
水槽に並んで鳥かごの中には白文鳥の「ぶんちゃん」がいます。文鳥は金魚と同じころに弥富に来たといわれ、明治時代には突然変異により白文鳥が生まれました。
そのほか、水郷地帯特有の農具や漁具、海苔の生産用具など地域の特色を生かした展示を行っています。
資料館前の細い道に入り、すぐに広い枡形を回ると明治の東海道最終地、「ふたつやの渡跡」の石碑があります。
いにしえの旅人はここから桑名の「七里の渡し」に船で向かいましたが、今は傍を国道1号が通り、陸路で行けます。
木曽川左岸堤にある水郷公園は、かつて、ツール・ド・あいち伊勢三河湾のスタートゴール地点でした。フェリーの廃止で大会がなくなってしまったのは残念です。
公園内の水郷の塔は、高さ14m、噴きあげる水をイメージして建てられたもので、展望台からは木曽川、鈴鹿山系の雄大な眺望が楽しめます。
ここで折り返し、参加メンバーの方々に弥富銘菓の「金魚(錦魚)もなか」を是非食べてもらいたいと思い、和菓子屋に行きます。その名のとおり、金魚の形が巧みにデザインされており、弥富でしか食べられないお菓子です。
弥富市内に金魚最中を作っているお菓子屋さんは数店舗(5、6軒)あるようですが、弥富駅南、国道1号近くの「宝寿園」に立ち寄りました。
お店の女将さんは12人もサイクルおじさんが入店したのに少し驚いているようでした。
最中は1個ずつ包装されているので、1個から購入可能です。私は家族の分も含めて4個買いました。
パッケージには「錦魚もなか」と印字されています。女将さんに、なぜ「錦」の字を使っているのか聞いてみると、「金魚」というのは大橋屋というお店の登録商標になっていて、ほかのお店は「錦魚」を使っているとのこと。大橋屋は弥富の菓子組合に加入していないそうです。
参加メンバーがたくさん購入してくれたので、「弥富の華」というサブレを一人1枚ずつサービスしてくださいました。
余談ですが、弥富駅は海抜ゼロメートル地帯の中にあり、日本一低いところにある地上駅(海抜マイナス0.93メートル)です。
時刻は11時を過ぎています。再び旧街道に戻る予定でしたが、遅くなると飲食店が混み合いますから、国道1号を走って時間短縮することにします。
国道沿いにはいくつもの店がありますが、走っていて目にとまった「Joyfull(ジョイフル)」というレストランにしました。初めて入る店です。
席は十分に空いていたので、12人がすぐに着席できました。早く入店して正解です。
私は、日替わり昼膳(土曜日はミックスフライ膳)とサラダセットを注文。リーズナブルな値段の割には量もあって、とてもお値打ちな内容だと思いました。
昼食後立ち寄ったのが、蟹江町の国道1号沿いにある近藤機械製作所。
自転車マニアならご存じのGOKISOブランドのハブ、ホイールを製造している会社です。従業員30人ほどの中小企業ですが、航空機などの精密部品の製作が本業です。
2010年、航空機ジェットエンジンの軸受け構造から着想を得て、開発した高性能自転車用ハブが「GOKISO」です。
GOKISOは、高額商品にもかかわらず自転車愛好家から高い評価を得て、リーマンショックで危機に瀕した会社を蘇生させました。
国道1号から南下して、旧街道へ。往路と同じ道を走って、宮の渡し公園に戻りました。
スタート時は寒い中でしたが、日が昇るにつれ小春日和になり、快適なサイクリングができました。
【サイクリングコース】
宮の渡し公園(午前8時30分)→ 東海通 → 日光大橋 → 二つお宮の松 → 明治天皇西蜆御小休憩所 → 三ツ又公園→ 海南こどもの国 → おみよし松 → 弥富市歴史民族資料館〔見学〕→ ふたつやの渡し → 水郷の塔 → 蟹江町舟入 → 国道1号〔昼食〕→ 東海通 → 宮の渡し公園・解散(午後1時40分)
距離:43km、所要時間:5時間10分
使用自転車:Panasonic POS チタンエンデュランスロード
走行距離:49.1km(累積1025km)
走行時間:2時間47分
所要時間:6時間20分(7時35分~13時55分)
【参加者】
deepportさん、かむひあ~さん、アロンさん、アロンさんの友人さん、ミシガンさん、所さん、hbさん、kuwanaさん、白のトレックさん、つくさん、高浜の石川さん、幹事 計12人
【参加者の声】
<kuwanaさん>
参加者の皆さんお疲れ様でした。
久しぶりの探訪楽しめました。
<所さん>
幹事さん アレンジ・案内して頂き、ありがとうございました。
参加者の皆様 お疲れ様でした。
次回の企画を楽しみにしています。よろしくお願いします。
<高浜の石川さん>
幹事様、今日は企画案内ありがとうございました。
思ったより空気が冷たく、昼になるまで結構ブルブル震えながら走ってました。
ところで、鉄のGIOSさん、くらぼんさん、日にちを勘違いされてなければいいんですが…
<鉄のGIOS>
また、勘違いしてました。
でも、今日も仕事で結局参加出来ませんでした。
<くらぼんさん>
連絡せずに欠席して失礼しました。
実は瀬戸の自宅から自走して行ったのですが、信号で止められることが多くて思うより時間がかかり、集合時刻に間に合いそうになくなったため、途中で諦めてしまいました。
【昼食】
ジョイフル愛西店
日替わり昼膳(土曜日はミックスフライ膳、614円)+サラダセット(220円)=834円(税込み)