■2019(令和元)年12月1日(日) 晴
昨年12月2日(日)に「愛岐トンネル群散策サイクリング」を実施し、今年もほぼ同じコースで探訪あいちとして実施させてもらいました。
また、近くに「しだみ古墳群ミュージアム」ができましたので、志段味古墳群の散策を付け加えました。
愛岐トンネル群については、昨年も紹介させてもらいましたが、JR中央線の定光寺駅から古虎渓駅の間の廃線跡に残るトンネル群のことです。碓氷峠(群馬県)、旧北陸本線(福井県)と合わせて、日本3大廃線トンネル群の一つでもあります。
旧国鉄中央線は1900(明治33)年に開通し、1966(昭和41)年に複線電化により新線が建設され、古い線路とトンネルは廃線となりました。廃線路は藪の中に埋もれ、その存在自体も忘れられていましたが、2006(平成18)年、市民ボランティアの手により2年がかりで散策路が整備されて、2008(平成29)年からは春と秋の年2回だけ、期間限定で特別公開されるようになりました。
2009(平成21)年2月に「旧国鉄中央線の隧道群」として近代化産業遺産に認定され、2016(平成28)年には国の登録有形文化財に認定されました。
瑞穂公園に集合したメンバーは5人。1年半前に岡山県から名古屋に単身赴任された方も、初めて探訪あいちに参加してくださいました。さらに原駅バスターミナルで1人が合流し、6人のメンバーとなりました。
岩崎城と森林公園にてトイレ休憩。
森林公園は、今年5月に即位したばかりの天皇皇后両陛下が出席されて、全国植樹祭が催されたところです。
アップダウンのあるゴルフ場をくぐり抜け、JR高蔵寺駅南から庄内川と中央線に挟まれた道を走って、10時40分頃、JR定光寺駅到着。
駐輪場には既に自転車が何台がありました。定光寺駅から降りてくる人も大勢います。駐車場はないので、電車か自転車で来るしかありません。
私達の前を歩く元気な小学生3人組が歌っていました。
歩こう 歩こう 私は元気
歩くの大好き どんどん行こう
坂道 トンネル 草っ原 一本橋に
でこぼこ砂利道 クモの巣くぐって下り道‥‥‥
ここは、となりのトトロ『さんぽ』がピッタリの情景です。
急な階段を上って、入口にて入場料100円を払います。このお金はNPO法人愛岐トンネル群保存再生委員会により散策路の整備などに使われます。
実物大のSLが描かれた大幕が掛けられた3号トンネルの前と『3号始発駅』の駅名標の前で、ボランティアの男性に集合写真のシャッターを押してもらいました。
設置されている駅名標は、国鉄時代の「スミ丸ゴシック体」で自駅名を中央に大きく配し、左右に両隣の駅名を小さく表記したデザインのものです。
歩行できる路面はバラスト(線路に敷き詰められた砕石や砂利)なので、SPD-SLでは歩きにくいだけでなく、クリートが痛んでしまいます。歩きやすいシューズで参加するか歩行用のシューズを持参するようにしてもらいました。
3号トンネル(76m)を出ると『竹林駅』、4号トンネル(76m)を抜けると『大モミジ前駅』の駅名板があり、県下最大級の大モミジの巨木が迎えてくれます。昨年は目にも鮮やかな真っ赤なモミジでしたが、今年は紅葉のピークは過ぎていて、少々残念でした。それでも、多くの人が写真を撮っていました。
水車を過ぎると、『マルシェ駅』。
ここマルシェ広場では、弁当や飲み物、絵葉書やバッチなどの記念品が販売され、テーブルや椅子も設置され、多くの方が休憩しています。
11時半前でしたが、弁当が売り切れて昼ご飯にありつけないと空腹になってしまうので、ここで昼食タイムとします。持参してきたおにぎりやパン、購入した弁当を食べました。
次の5号トンネル(99m)を抜けた『レンガ広場前駅』では、廃レンガが敷かれたステージで生ライブの真っ最中。自転車ペダルで動かすSLの動輪もあり、子供達で賑わっていました。
最後の6号トンネルは最も長い333m。
「くの字」に曲がっているので出口は見えず、懐中電灯が役立ちます。
トンネルを出ると愛知県と岐阜県の『県境駅』で「行き止まりです。」の看板があります。この先の多治見まで7基のトンネル遺構(7号〜14号トンネル)は続くものの、散策できる愛岐トンネル群はここで終了です。
若い男女グループの一人にトンネルをバックにして集合写真を撮ってもらいました。
折り返して、帰りは庄内川の渓谷を左手に見ながら「玉野古道」を歩きました。
朝方は肌寒かったものの、12月にしてはとても暖かい晴天になり、汗も出てくる陽気です。
往復徒歩3.4km、約2時間で出口に到着です。
次の訪問地は、志段味古墳群です。
名古屋市守山区上志段味地区は、古墳時代(3世紀末から7世紀)の300年間にわたり古墳が造られ続け、確認されただけでも66基の古墳があります。このうち国指定史跡が7基あります。
名古屋市はこの地を古代ロマンを体感させてくれる「歴史の里」として整備し、その中心施設である「しだみ古墳群ミュージアム」が今年4月1日にオープンしました。
江戸時代以降の開墾で墳丘が削られるなどし、本来の大きさがわかりにくくなっていた「志段味大塚古墳」は復元されて往時の姿を取り戻しています。その周囲には500個の埴輪の複製品が並び、墳丘には木棺が横たわっています。
ちょうど幼稚園児が墳丘で遊んでいました。子供達には古代の歴史施設も格好の遊び場になってしまいます。
国史跡の「白鳥塚古墳」は高さ15mほどの頂上まで上れるように散策路が整備されています。この古墳には日本武尊(ヤマトタケル)の伝説があります。
ヤマトタケルが伊吹山の賊を征伐に行く途中に蛇に足を噛まれ、傷口を川で足を洗っていたところ、一羽の白鳥が現れました。ヤマトタケルが白鳥に尾張に連れて行ってくれと頼み、ヤマトタケルを乗せた白鳥が尾張の東谷山の麓に着いたところで死んだため、ヤマトタケルがその場所に白鳥の墓を建て、その墓が白鳥塚だと伝わっています。
熱田区の白鳥古墳にも、能褒野(のぼの:三重県鈴鹿市の西方から亀山市にかけての台地の古称)に葬られてのち白鳥となった日本武尊が当地に降り立ったという伝承があります。
帰路、古戦場公園からは、MokoTarouさんが、交通量の少ない道を案内してくれました。岩崎名古屋線の南に裏道があることを初めて知り、勉強になりました。
ほぼ予定どおりの午後4時前に瑞穂公園に到着。強い風も寒さもなく、皆さんのご協力で快適なサイクリングを楽しむことができました。
なお、私事ですが、自身が企画した探訪あいちの実施が今回で通算70回目となりました。2007年(平成19年)に初めて幹事を務めさせていただき、13年間で82回企画し、うち12回が天候不良や自身の体調不良で中止でした。
還暦を過ぎて、いつまで自転車に乗れるかわかりませんが、皆さんに迷惑を掛けずにペダルを回せるうちは、企画を提案したいと思っております。
【サイクリングコース】
瑞穂公園(午前8時15分)→ 天白川 → 平針 → 岩崎名古屋線(県道221号線)→ 岩崎 → 瀬戸大府東海線(県道57号線)→ 古戦場公園 → 長久手市役所 → 春日井長久手線(県道75号線)→ 森林公園 → 東谷山フルーツパーク → 東谷橋 → JR高蔵寺駅南 → JR定光寺駅 → 〔愛岐トンネル群散策・昼食〕→ JR定光寺駅 → 志段味古墳群(しだみ古墳群ミュージアム)→ <往路と同じ> → 瑞穂公園・解散(午後15時40分)
距離:68km+徒歩3km、高低差:90m
使用自転車:cannondale F700
走行距離:70.9km(累積12845km)
走行時間:3時間53分
所要時間:8時間38分(7時35分~16時13分)
【参加者】
YOSHIさん、MokoTarouさん、小野さん、高浜の石川さん、G-conさん、幹事(まつぼっクリ) 計6人
【参加者の声】
<高浜の石川さん>
幹事様、愛岐トンネル群、志段味古墳群と以前から行きたいと思っていた場所への企画、先導をありがとうございました。
今回は小春日和で、快適なサイクリング日和でしたね。
紅葉はややピークは過ぎていましたが、まだまだきれいでした。
<YOSHIさん>
幹事さん、素敵な企画で、丁寧な説明先導ありがとうございました。
天気も良く楽しいサイクリング+散策でした。
来年の春か秋、高蔵寺駅orしだみ古墳群ミュージアム スタートゴール
長距離;坂道を避けてカミさんとサイクリングに行こうかと思います。
石川さん、たくさんの写真と動画ありがとうございます。
<MokoTarouさん>
先日は、お疲れ様でした。幹事様、愛岐トンネル群、ご案内くださりありがとうございます。天気にも恵まれ気持ち良いサイクリングでした。石川さん、写真の投稿ありがとうございました。あらためて良い場所だと思いましたので、春の公開日にも行ってみようかと思います。
<小野さん>
幹事様、愛岐トンネル群と志段味古墳群のサイクリングとても楽しく過ごさせていただきました。有難うございました。
東海地方の見所がまだまだあるのだと実感しました。
名古屋に転勤してきて余り自転車乗りの知り合いが居ないので、また是非参加させていただきます。
参加されてた皆様、どこかでお会いしたらお声掛けください。
石川さん写真など有難うございました。
<G-conさん>
幹事様、愛岐トンネル群&志段味古墳群、ご案内、ありがとうございました。
天気も良く、秋のサイクリングを楽しめました。
春の一般公開も行きたいと思っています。