0238 探訪あいち なごや自転車散歩(東海合戦ワールドと名古屋の遺産巡り)

◆2015(平成27)年11月29日(日) 晴のち曇

 金曜日の時点で参加表明はミシガンさん一人だけでした。今回は少人数かなと思っていたら、前日の夜に一気に増えて、11名となりました。

 白のトレックさんはケガから復帰され、久しぶりにお目にかかりました。
 Bike Fridayのちゃりんこ日和さんは、初参加で30代の若さ。平均年齢をぐっと押し下げてくれました。

 愛知県は、織田信長豊臣秀吉徳川家康など、多くの戦国武将を輩出した「武将のふるさと」です。
 「東海合戦ワールド」は、昨年、「あいち合戦ワールド」として開催されたイベントがスケールアップしたものです。愛知県は工業製品出荷額が37年日本一を誇る産業県ですが、観光の分野では劣っていました。今年は「観光元年」と銘打ち、観光振興に力を入れています。
 その一翼を担おうと、急遽、探訪あいちを企画しました。
 ただ、これだけでは、サイクリングの距離が足りません。そこで、名古屋の遺産巡りを加えたのが、今回の企画です。

 まず最初の訪問先は、南区の笠寺小学校です。かつて、この場所には星崎城がありました。校庭の隅に「星崎城址」の石柱が立っています。
 説明板には「城主は、初代岡田直教、その子直孝、その弟善同とつづいた。天正12年(1584)より山口重勝、ついで重政が城主になったが、天正16年、重政が伊勢の国茂福に移り、廃城となった。」とあります。

 次は、笠寺公園です。
 太平洋戦争当時、この付近には、笠寺陣地という日本軍の施設があり、空襲を行うアメリカ軍機を打ち落とすため、高射砲とよばれる大砲が6門設けられていました。その高射砲をすえた台座と、その脇に設置された砲側弾薬庫が残っています。
 想像してみると、地上からの大砲で、果たして飛行機を打ち落とすことができたのか、疑問に思います。

 そして、高射砲台座跡の近くに、有名な双子の姉妹、きんさんとぎんさんの桜の木があります。
 きんさん桜・ぎんさん桜は、平成12年(2000年)に南区役所新庁舎の完成を記念し、岐阜県根尾村(現本巣市)から植樹された、樹齢1500年といわれる淡墨桜です。「健康と長寿」の象徴として多く人に親しんでもらえるよう、平成25年(2013年)に見晴らしの良い笠寺公園へ移植されました。
 HFさんは、「きんさんざくら ぎんさんざくら」と刻まれた石碑に手を合わせていました。長生きできる御利益があるといいですね。

 見晴台考古資料館を見学後、桜台高校の向かいにある、桜田の八幡社へ移動します。
 ここには、あゆち潟の碑があります。「万葉集」で高市黒人(たけちのくろひと)は「櫻田へ 鶴(たづ)鳴きわたる 年魚市潟(あゆちがた) 潮干にけらし 鶴(たづ)鳴き渡る」と詠みました。「愛知(あいち)」の地名は、この「年魚市潟(あゆちがた)」の「あゆち」が「あいち」に転じたと言われています。

 このあと、鉄のGIOSさんの案内で、村上社のクスノキに立ち寄りました。私はその存在を知らなかったのですが、幹回りが約10.8メートル、樹高が約20メートルにおよぶ名古屋市内でも最大級のクスノキの巨木です。樹齢は千年といわれ、1987年(昭和62年)に名古屋市の天然記念物に指定されました。名古屋にこんな大楠があるのかと、その見事な姿に感動しました。ちなみにここの町名は南区楠町となっています。

 ここから、天白川の堤防上を走り、天白区の相生山に向かいます。
 相生山は名古屋市内に残る貴重な自然の宝庫です。えっ! 名古屋にこんな田舎道みたいなところがあるの? と思わず口にしてしまう人もいます。
 オフロードあり、坂道ありで、ロードバイクの方には少々難儀する道を走ります。
 葉書塔は、そんな相生山の林の中にひっそりと建っています。この塔は、1927年(昭和2年)に新愛知新聞社(のちに名古屋新聞と合併して中日新聞となる)が愛知県の新十名所を募集したときに集まった850万余枚の当初葉書を収めるために、徳林寺が建設したものです。
 投函口を覗いてみると、年賀状の束が収められているのが見えました。私が子供の頃、「不幸の手紙」がありましたが、それをこの葉書塔に収めた人もいたそうです。

 相生山オアシスの森入口でトイレ休憩後、鳴海球場跡に向かいます。
 ルー・ゲーリッグやベーブ・ル-スを交えた日米野球などが繰り広げられた伝説の球場。現在は名鉄自動車学校になっていますが、一塁側と三塁側のスタンドが残っています。1936年(昭和11年)2月9日に日本の職業野球(プロ野球)としての初めての試合が、この野球場で行われました。対戦カードは名古屋金鯱軍対東京巨人軍。この試合で名古屋金鯱軍は、沢村栄治を打ち込んで勝利を収めたのでした。

 11時半、昼食場所の「TONMARU(トンマル)」へ。旧東海道沿い、平部交差点近くの豚カツの店です。11人いますので、席だけ予約しておきました。皆さん、かつ丼やカツカレーを注文していましたが、私は豚味噌丼にしました。味噌汁、小鉢、食後の珈琲が付いて、700円ですから結構お得です。

 最後の目的地、大高緑地公園へは、走行距離を稼ぐために、園内道路を一周しました。アップダウンのあるワインディングロードで、走りごたえがあります。ただ、車止めがなければもっと快適なのですが。

 午後1時45分、大高緑地公園に到着。「東海合戦ワールド」の会場の若草山には、全国からやって来たご当地武将隊の演武ステージやグルメブースがあり、大勢の人で賑わっていました。

 1時間のフリータイムとして、各々、過ごしてもらいました。
 私は、ミシガンさんと一緒に、ちょうど午後1時から始まった「放鷹術(鷹狩り)」を見学しました。日本放鷹協会の方々が、大鷹や隼を空に飛ばし、獲物に見立てたルアーを捕まえさせたり、人の腕に留まった状態から空を舞わせて、再び元の腕に帰らせるなど、見事な実演を披露してくれました。空に放つと、そのまま逃げて行ってしまうのではないかと思うのですが、ちゃんと元に戻ってきます。よくコントロールできるものです。鷹も頭がいいし、それを操る鷹匠(たかじょう)の“術”も素晴らしい。
 江戸時代からのことわざ「一富士 二鷹 三茄子」は、家康の好物を並べたという説で、景色は富士山、趣味は鷹狩り、食べ物はナスに由来するそうです。また、鷹は、「高、貴」と通じるので出世を意味するともいわれます。
 織田信長徳川家康の時代、鷹狩りは権力者にしかできなかった楽しみでした。鷹狩りは権力の象徴でもあったわけです。

 大高緑地公園でミシガンさんや理事長さんら4人の方が解散。日本ガイシスポーツプラザへは7人が戻りました。
 短い距離でしたが、参加者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

サイクリングコース
日本ガイシスポーツプラザ(午前9時)→ 笠寺小学校・星崎城址 → 笠寺公園(見晴台考古資料館、高射砲陣地、きんさん桜・ぎんさん桜)→ 高市黒人の歌碑(南区楠町・八幡神社内) → 相生山(葉書塔)→ 鳴海球場跡(名鉄自動車学校) → 〔昼食〕→ 大高緑地公園〔東海合戦ワールド見学〕→ <折り返し> → 日本ガイシスポーツプラザ(午後2時10分)
距離:30km
高低差:64m
所要時間:5時間10分

参加者
ミシガンさん、白のトレックさん、ちゃりんこ日和さん、熱田のワカさん、安城のSさん、茄子紺Trekさん、鉄のGIOSさん、YAさん、MBさん、HFさん、幹事  計11人

参加者の声
<ちゃりんこ日和さん>
 幹事様、参加された皆様お疲れ様でした。
 自宅が近くなのに初めて通る道や場所がたくさんあって勉強になりました。特に葉書供養塔は面白かったです。私も喪中葉書など納めてみようかな(笑)ありがとうございました。

<ミシガンさん>
 参加表明の立ち上がりがスローでやきもきしましたが、集合場所に着いて見れば見慣れたメンバー、初参加のバイクフライデーさんなど11人。賑やかなサイクリングになりました。マツボックリさんらしい隠れた史跡を丁寧に巡り、適度な登り下りに迷子になったら帰れなくなる?複雑なルート、これが名古屋市内?という三河顔負けの田舎道と、これぞThe 探訪と言うイベントで大満足!
 自走入れて60km。距離も快適。
 ありがとうございました。

使用自転車:cannondale F700
走行距離:39.6km
走行時間:2時間27分